お知らせ
何もないな、イカもいないな。
春はイカ釣りのシーズンだ。
イカの寿命は1年。イカは春から初夏にかけて産卵し、
生まれてきたイカは1年かけて大きくなる。
僕の釣りでいうイカというは、基本的にアオリイカやコウイカだ。
エギというエビ型のルアーで釣る。
イカには他にも、ヤリイカ、ササイカ、ミミイカ、スルメイカなど
いろんな種類がいるが、これらは冬から春(3月)くらいの間に釣れる。
ここでいう釣りとは、岸からの釣りだ。
釣り用語では、オカッパリ釣りとかショアフィッシングという。
僕の釣りはこの岸からの釣りがメインだ。
船釣りは1度だけやったことがある。
(ゴーゴルライフの動画でアップしているので、お時間があれば観てみてください)
船釣りも楽しかった。大船原の中、昼間でも大きなサイズが釣れるので船釣りも楽しい。
ただ、僕はお腹が弱いので朝の釣りが苦手なのだ。
だからどうしても夕方から夜にかけての釣りが多い。
もちろん、早朝から釣りをしたことは何度もあるが、
その場合は泊まりがけでトイレがある漁港での釣りになる。
早起きが苦手というよりも、朝起きてトイレに行きたくなることを考えると
朝はトイレが近い場所じゃないと釣りができない。
朝のお腹の痛さは急にやってくるからだ。
まいったものだ。
朝が苦手と言ったが、ここ最近は夜にも問題が出てきた。
それは、すっかり老眼になってしまったからだ。
夜は老眼鏡をつけないと仕掛け作業が見えにくくなってしまった。
軽いストレスだ。
明るい朝や昼の方がおじさんの目には優しい。
ほんとは朝から昼にかけて、朝日を見ながら釣りがしたい。
朝の方が釣れる魚のサイズは大きい気がするし。
朝はトイレ問題。夜は老眼問題。
まいったものだ。この時点でもう釣りに負けている気がする。
釣りはよくマズメに釣れると言われている。
朝マズメ、夕マズメ。
日の出と日の入り前後のことをマズメという。
釣りには1日で6回釣れるチャンスがある。
24時間釣り続けることはないと思うが、釣りを1日で考えると6回チャンスタイムがやってくる。
満潮は12時間に1回。干潮も12時間に1回という周期だ。
例えば、午前6時に満潮だとすると、その6時間後の午後12時は干潮。
さらにその6時間後の午後18時には満潮となり、そこから6時間後の午前0時に干潮となる。
潮の満ち引きは、その6時間に1回の繰り返しだ。
なので、
1)朝マズメ(1回) 2)干満の変わり目の前後時間(4回) 3)夕まずめ(1回)
と海の状況が変化する。
つまり、潮が動く時間に流れが変わる。
潮の満ち干きの変わり目の時間は、
海の流れが変化する時間であり、魚が釣れるチャンスタイムと言われている。
さらに、マズメと干満前後時間が重なるとさらにチャンスが上がる。
そしてさらに、その日が、潮見表でいう中潮だともうビックチャンスだ。
潮には、小潮、長潮、若潮、中潮、大潮がある。
これらは、潮の満ち引きの差がどれくらいあるかを表す。
分かりやすくいえば、大潮が潮の満ち引きが一番大きい。
中潮は中くらい。小潮は小さめ。長潮は干満の差があまりなく、海がベタッとしている。
若潮は、大潮に向けて潮が若返る。ということだ。
僕の経験上、岸からの釣りは中潮が釣れる。
狙う魚によるかもしれないが、アジの場合は中潮だ。
何度が経験しているが、中潮+夕まずめ+満潮前後時間が重なった時は
爆釣(ばくちょう)した。(季節による)
パチンコでいえば、確変だ。何をやっても7が揃うというゾーンに入る。
潮の流れ・状況と釣れる時間を予測することは大切なのだ。
説明が少し長くなったが、それらの知識を持っていないと全く釣れない時がある。
数年前の春、長崎県平戸市にアオリイカを釣りに行った。
片道約3時間。青い海が広がる。どこを見ても釣れるイメージしかない。
防波堤に行けば、釣った後だと分かるイカのスミ跡がある。
これは期待できるぞ。海に向かって投げる。しゃくる。
しゃくるとは、ルアーが生きているかのようにアクションをつけることだ。
また投げる。しゃくる。投げる。しゃくる。うーーん・・・・
場所を変える。また投げる。しゃくる。投げる・・・・
いつまで経っても、アタリがない。午前中から始めた釣りは、いつの間にか夕方。
夕まずめだ。チャンスだ。投げる、しゃくる・・・・・・・繰り返す。
無心だった頭の中に、少しずつ文字が浮かび上がってくる。
「もしかして、このまま釣れないかもしれない」
この時の1日の心理としては、
⚫︎午前中:「釣れる!」「釣るぞ!」→⚫︎午後:「釣りたい」→「釣れたらいいな」→⚫︎夕まずめ:「釣れる!いける!大丈夫だ!」→⚫︎日が沈んだ:「釣れないのかな?」「釣れないね」→ 「そうだよ。今日は誰も釣れてなかったもんな」→「今日はコンディションがよくなかったんだよ」→⚫︎帰る頃:「消沈」
約10時間、海からのコンタクトは全くなし。ノーフィッシュ。
完全敗北。イカからの既読は無し。ずっと無視。話しかけても無視。
あれ?イカはこの海にいないのかな?
さすがに、心の竿は完全にへし折れた。
これがイカ釣りの恐ろしさか。
他の魚であれば、まだ何かしらは釣れるだろう。
魚を狙うルアーだとアジやカサゴ、キジハタなど魚種を選ばず、何かは釣れる。
でもイカを狙うエギの場合はイカしか釣れない。
逆にいえば、イカからアタリがなければ、何もないのだ。
何もないな。誰もいないな。快適なスピードで。
道はただ延々続く 話しながら 歌いながら〜🎵
そうだよ、行きがけの気分はこうだったよ。それはそれは釣れることを期待しながら。
でも帰りは、こうだった。
何もないな。イカもいないな。どんよりと泣きながら。
道はただ延々続く。話もせず、歌う気もないさ〜🎵
僕らの自由を、僕らのイカ釣りを、
大げさに言うのならば、きっとそういう事なんだろう。
どういう事なんだよ!
魔の10時間。
帰り道、月が出ていたが、月が赤く見えたのは気のせいだろうか。
そんな日もあるさ。
帰りのラーメンが身に沁みた。
その日の潮は、長潮だった。
