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踊り食いか、踊り悔いか・・・

先日キャンプに行った帰りに寄った産直市場に、「しろうお」が売っていた。

「しろうお」と言えば、春の訪れを告げる旬のもので、

生きたまま食べる踊り食いが有名である。

踊り食いは、福岡や佐賀の一部の地域で食べられている春の伝統食のようなものである。

この「しろうお」とよく間違えやすいのは、「しらうお」だ。

(「しろうお」と「しらうお」が毎回ごっちゃになる・・・・)

「しらうお」は、釜揚げシラスなどで有名なイワシなどの稚魚の総称である。

一方で、「しろうお」はハゼ科の稚魚だ。

ハゼなので汽水域に生息する。海と川の中間、もしくは川に生息する。

僕は福岡に住んでいるが「しろうお」の踊り食いは食べたことがない。

魚を食べることは大好きであるし、釣りもするから、生きた魚を絞めて刺身にして食べることも当たり前だ。

しかし、この「しろうお」の「生きたまま食べる」というのはどうも抵抗がある。

たくさんの小さい命が一気に口の中で生きたまま・・・・と考えるとなんか気が引けてしまう。

と言っても、魚卵である明太子や数の子や釜揚げシラスは大好きなのだが。

以前、マツコデラックスがテレビで言っていたが、シラスや数の子、イクラを食べるのは、

「小さいに命を一気にいただいている気がして、気が引ける」と言っていたが、

冷静に考えると分からなくもない。

やはり、小さい命を生きたまま食べるということに一種の罪悪感があるのだと思う。

と言っても、命をいただくということであれば、料理して食べることも変わりない。

違うのは、食べるまでの行程、自分のカラダの中に入るまでの順番が違うだけだ。

そんなことを思いながら、一瞬、経験のために「しろうお」を買ってみようかと迷った。

でも、やはりダメだった。

想像するだけで、「美味しいよりも、恐ろしい」の方が勝ってしまう。

おそらく、食べたらトラウマになりそうだと思った。

「俺は野生を捨ててしまったのか?」・・・

いいや、そこの部分には自分の野生を使わないだけだ、きっと。

この世で虫以外は、ほぼ食べれると思っていた。

子どもの頃、嫌いだったトマトもきゅうりも克服した。

バナナも苦手だが食べようと思えば食べれる。

スイカは子ども頃に、志村食い(志村けんがドリフで食べてた早食い)を真似して

たくさん食べすぎて食べなくったが、食べようと思えば食べれる。

「俺には基本食べれないものは、ない。」と思っていた。

しかし、気づいた。「しろうお」はダメだと。食べれないものが一つ増えた。

「食べてみて、美味しいから」と誘われてもダメだろう。味の想像はつくから。

味は酢醤油の味しかしないと思う。だったら、酢醤油を飲めばいい。

なんとなく似てる感じなら、トコロテンでいいやんって思うだろう。

「しろうお」の踊り食い。いつか食べる日が来るのかなぁ?