お知らせ
「ひとりジメ」時間
少し早めに終わった飲み会の帰り道。
電車はまだまだある。
どうする?
ひとりで〆のラーメン行こうか。
時々、そんな瞬間はないだろうか?
僕は結構ある。
こういう時はいくつかパターンがある。
1)飲み会の相手が仕事関連で21時ごろにきっちり終了。
2)長い1次会で23時前に終了。
3)飲み会のスタートが早く17時から。2次会行っても22時終わり。
とまぁ、細かく分けるともっとあるだろうが、
飲み会にはこの1)から3)のようなパターンがあり、
電車までの「このひとり時間」を〆に使うかどうか、迷う瞬間が現れる。
ひとりで〆る時間、通称「ひとりジメ」時間が、
僕はなんとなく好きなのだ。
先日も、この「ひとりジメ」時間があった。
2)のパターンだ。
23時前に飲み会は終了。最終電車までの時間は約1時間ある。
うーん。なんかラーメン食べたいような。
正直、この時点ではそんなにラーメンが食べたいわけではないが、
もうこれは、義務みたいなものだ。
歩きながら考えるか。
あっ、一蘭でも久しぶり行こう。
あの店なら、パッと食べてすぐ帰れる。
ここでラーメンを食べても、最終電車には間に合う。
そんなことを考えながら、
お店の前まで行くと、23時過ぎにも関わらず、観光客で行列だ。
あー、そうなんだ。そういうことか。
博多の夜はインバウンドバブルか。
他のラーメン屋は?・・・・・・ない。
ここで探している時間はない。
どうする?
仕方ない。電車に乗るか。
しかし!ここではまだ終わらないぞ。
降りた駅の近くにあるじゃないか。
僕は心の中で余裕を感じながら、いつもの駅で降りた。
よし!
最初は「なんとなくラーメンが食べたい」だったが、
駅を降りる頃には、「ラーメンが食べたい」になっていた。
店の前に着いた。電気は付いている。
うん?なんか様子が変だ。
店員が店の片付けをしていた。
あー、終わった。
今日の営業は終了だった。
僕はそのまま帰ることにした。
なんかモヤモヤする。
だからと行ってコンビニでカップラーメンを食べるようなことはしない。
僕も大人だ。時に諦めることも大切だ。
「明日の昼は絶対、ラーメンだ!」そう心に誓った。
「豚骨ラーメンを、俺は食う!」
「海賊王に、俺はなる!」
そのくらいの気持ちだ。
次の日、13時30分から仕事の打ち合わせがあったので、
それに合わせて家を出た。
普段であれば家でご飯を食べて行くところだが、
もちろん昨日からの情熱は消えていない。
そうだ。今日こそ、ラーメンだ!
ラーメンを食べるために、今日の昼があるみたいなものだ。
僕の昼のスケジュールは明確だ。
13時にラーメン → 13時30分から打ち合わせ。以上!
打ち合わせがある場所のすぐ近くにラーメン屋がある。
待ってろよ。ラーメン。
・・・・・しかし、そのラーメン屋は、店休日だった。
えっ?嘘だろ?只今の時間は、13時5分。
まぁまぁまぁ。他にもあるじゃないか。
ここは福岡だ。とんこつラーメン大国福岡だ。
石を投げれば当たるくらいラーメン屋はある。
すぐそこに、あの店があるじゃないか。
あの店なら、この時間でもパッと食べて、
うち合わせには、まだ間に合う。
よし!
あの店の前に着いた。
・・・・・・あの店も店休日だった。
終わった。いや、終わってないか。いや、終わったやろ。
只今の時間は、13時8分。
いくら車移動とはいえ、次の店に行くには時間が足りない。
行って戻ってくるだけでも少なくとも15分はかかる。
店に入りながらすぐ注文すれば・・・注文に5秒。
いやあの店は食券機注文だ。1分はかかる。
注文して、ラーメンがすぐに出てきたとして3分。
それから、急いで食べたとして3分か。
注文から7分でラーメン食えるか・・・・?
13時15分に店に着いて、7分でラーメン食べて、13時23分に店を出れば、
ギリギリ打ち合わせに間に合うか?
いや、無理だ。ここから店と打ち合わせ場所の距離を考えると
うまくいっても2分は遅れる。下手したら15分は遅れるぞ。
終わった。
あー!ラーメンが!昨日からあんなに思っていたラーメンが!
こんなことがあっていいのか。
あと約15分・・・・腹へった。
ラーメンじゃなくても何か食べたい。
僕は仕方なく、むっちゃん万十を1個買って
車で食べながら、うち合わせに向かい、結局10分前には席に着いた。
ちなみにむっちゃん万十とは、福岡のソウルフードで、
有明海などの干潟に生息する魚であるムツゴロウの形をした具材入りのたい焼きだ。
たい焼きと書くと、ややこしいかな。
なんというか、具材たっぷりのたい焼きのムツゴロウバージョンだ。
とにかくラーメンは、むっちゃん万十になった。
焼きたてのむっちゃん万十が、やけにおいしく感じた。

