NEWS

お知らせ

なるべくしてなったカタチ

モノにはいろんなカタチがある。そのカタチは、暮らしの中で作られてきた。

ラーメン屋さんやうどん屋さんで見るレンゲ。

このレンゲも進化した。器に引っかかるカタチになった。

よくありますよね。特にラーメン定食を頼んだ時に。

ラーメン食べながら一旦、おかずやご飯にいこうとして、

レンゲをラーメンどんぶりの側面にそっと置く。

そうするとどうなるかは分かっているけど、そっと置く。

「心の中で、滑るなよ、滑るなよ、おかず食べ終わるまで滑るなよ」と言う。

そうしたら、「あっ!」。

やっぱり、レンゲがパタンと倒れてスープにドボン。

あー!

スープでレンゲが、ずぶ濡れになる。箸で溺れているレンゲを持ち上げ、

「すみません。レンゲをかえてもらえますか?」と店員に言う。

言いづらい時は、ずぶ濡れのレンゲをそっと脇に置いて、食べ進める。

「ラーメン屋、うどん屋あるある」だ。

この「あるある」をなくすために現れたのが、この引っかかるレンゲだ。

どうですか、この一体感。まるで皿と抱き合うように。

引っ掛けるという機能力をつけて、生まれ変わったレンゲ。

見ていて堂々としていますよね。「安心してください。引っかかってますよ」と言わんばかりに。

カタチというのは、暮らしの不便の中から生まれる。