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お知らせ

人生最高のビールを上高地で。


長野に行って、もう2週間が経つのか。

今日は上高地の話をしたい。

長野に行きたかったのは、「上高地の景色が見たい」という理由が大きい。

いよいよ念願の河童橋を渡れる。

前日は、善光寺と安曇野市にある穂高神社と大王わさび農園に行ってから、

道の駅 アルプス安曇野ほりがねの里で車中泊。

このあたりは、Youtubeで紹介することにしよう。

安曇野市から上高地へは、車で1時間ほど。

観光で上高地に行くには、バスに乗っていかないといけない。

自然保護のために、交通規制があるからだ。

上高地行きのバスターミナルは「さわんど第3駐車場」のそばにある。

上高地に行く人はこの「さわんど駐車場」に車を停めてバスに乗って上高地へ向かう。

大型バスに乗り、いよいよ出発。

車窓から見える景色が大きくなっていく。

野生の猿の群れが路肩を歩いている。

あーワクワクするなぁ。

現地に着いた。バスを降りて河童橋へ向かう。

川の水色が綺麗すぎる。

流れが早い。山の雪解け水がじゃんじゃんと流れているのか。

「チリンチリン」

歩く人たちのリュックにつけられた熊避けの鈴が所々で鳴り響く。

ここは標高1,500m。向こうには北アルプスの山々。

穂高連峰がはっきりと見える。雪が山の輪郭に沿うように積もっている。

穂高連峰は3,000mあるそうだ。すごく近く見えるが、ここからさらに1,500m高いのか。

僕は山登りをしないが、伝説の登山家「ジョージ・マロニー」の名言である

「そこに山があるから」という気持ちはこの景色を見れば分かる気がする。

理屈ではない。数々の大自然と命懸けで向き合ってくれば、

あんな太くでっかい名言が生まれてくるのだろうか。

梓川(あずさがわ)の遊歩道は、どこを歩いても撮影スポットだ。

みんな立ち止まって撮影している。

今日は平日なのに、人が多いなぁ。

そのほとんどの人たちは外国人観光客だ。

「イーアールサン!」

へぇ、中国の人はそうやってシャッターを切るんだ。

河童橋に着いた。「ここがあの河童橋か」

初めて上高地を知ったのは、20代半ば。

旅行会社のパンフレットを作っていた頃。

まだ広告の制作者としてもペーペーで、徹夜も多く、とにかくがむしゃらに働いていた頃。

そんな時に見たこの上高地の写真がとにかく眩しかった。

こんな景色があるのかと。

あれから二十年。

僕たちは今、上高地を歩いている。

現在11時。朝ごはんをまともに食べていないので、お腹が減ってきた。

河童橋周辺には、お土産ショップ、ホテル、飲食店、カフェがある。

ここらで少し休憩して、今日の行程を考えながらご飯を食べよう。

何にしようかな。

あっ、アップルパイがある。

アップルパイ好きのあきさんとしては見逃せない。

この店にはテラスもあるのか。いいね、ここにしよう。

僕は唐揚げと鶏そぼろ、野沢菜、錦糸卵が入った「とり釜飯弁当」にした。

旅、そしてこの景色の中の弁当は格別だ。

早めのランチも食べ終わり、

Youtubeのサムネール用の写真を撮ろうと河童橋周辺で撮影。

そんなことをしていたら、ライサタ民の「もちむぎさん夫婦」に遭遇。

しかも河童橋のど真ん中で。

ライサタ民とは、友達のライクサタデーのメンバーシップの名称で

僕たちもそのメンバーシップに入っている。

「もちむぎさん」とはお会いしたことはなかったが、僕らのYouTube も観てくれていて

インスタで繋がっていた。

偶然だ。その3日前は宝塚北のサービスエリアでライサタ民のさっしーさんの奥様に遭遇。

すごい確率で会うものだ。

そんな偶然なこともあり、僕たちは「もちむぎさん」におすすめしてもらった

「岳沢湿原」へ向かった。最終目的地は、1時間歩いた先にある明神池と

穂高神社の奥宮(おくのぐう)だ。

片道1時間ということは、帰りもまた1時間かけて帰らないといけない。

うーん。どうする?しかし、せっかくここまで来たんだから行こう!

もう次はいつになるかも分からないし。

しかし、リュックを背負った1時間は遠い。まずは途中にある歩いて20分の「岳沢湿原」だ。

景色も空気もいいから歩いていて心地よい。

着いた。蒼く透き通る水面。原生林に囲まれた静かな空間。

水の中から女神が出てきそうな雰囲気だ。

きれいな水の中を水草がゆらゆらしている。

九州で言えば「いいちこ」のCMで出てきそうな風景。

その水面にボトルが浮かんでそうだ。ビリーバンバンの曲が流れてくる。

さぁ、歩こう。ここからが長い。森の中をひたすら歩く。

木の隙間から梓川が見える。歩く歩く、ひたすら歩く。

明神池まであと1kmか。歩く歩く。

目の前に大きく梓川が見えてきた。森から川へ視界が広がる。

あっ、何か見えてきたぞ。

やっと到着。穂高神社の奥宮(おくのぐう)だ。

すごい。神社のお宮の背景には大きな山がそびえている。御神体はあの穂高岳か。

先日、安曇野市にある穂高神社にも行ってきたが、その神社の始まりとされるのが、

この上高地の奥宮(おくのぐう)だ。この穂高神社は海神穂高見命(かいしんほたかのみこと)を

御祭神としている。海の神だ。海神綿津見神(かいしんわたつみのかみ)の御子神だ。

これは海神族の祖神であり、安曇族の祖神でもある。

穂高神社の宮司さんは安曇さん。

海のない長野県に海の神がなぜ祀られているのか?

前回のコラムでも少し書いたが、安曇族は福岡出身で、その子孫の

一部はここ長野に身を置き、穂高神社を造ったとされる。

福岡の海の中道公園の近くにある金印の島で有名な志賀島には志賀海神社(しかうみじんじゃ)がある。

志賀海神社の御祭神は、綿津見神(わたつみのかみ)だ。

宮司は安曇さん。穂高神社と同じだ。

穂高神社では毎年、船を担ぐ祭りがある。

安曇野市の一部では、福岡名物の「おきうと」を食べる。

「おきうと」とは、海藻を寒天で固めた料理だ。

安曇族はその昔、海を渡ってこの日本にやってきた海洋民族の子孫とされる。

縄文時代、古代の歴史を紐解くといろんな偶然が一致するのだ。

とこれも話せば長くなるのでこれくらいにしておこう。

遠い遠い昔、古代の人たちが船を使ってこの地へと足を踏み入れて

この自然を神と崇めて、それから人々の暮らしができてきたことを考えると

すごいところにタイムスリップした気がする。

と浸っていたのも束の間・・・・

帰りはまた1時間かけて河童橋に戻らないといけない・・・・

あー、神よ。我にチャリを与えたまえ。

だめだ。甘えるな。その足で一歩一歩踏み締めるがいい。

自然と生きるとはこういうことだ。

途中、どこからともなく野生のサルが続々とやってくる。

人が歩いていても、横切っていく。

人になれたもんだ。

中には赤ちゃんを抱っこしている母ザルもいた。

サルに癒されながら、歩いていたら河童橋に着いた。

なんだろう。振り返っても「きつかった」という気持ちは残っていない。

行ってよかった。歩いてよかった。という気持ちしか残っていない。

ただ、足はすごく疲れている。

たくさん歩いたから、小腹が減った。

喉も乾いた。ちょっと休憩をしよう。

うん?BEER here!って書いてあるぞ。

松本ビールだと?ビールだと?ビールですか?

いいんですか?そりゃ、飲むでしょうよ。

今日はこのままホテルに泊まるから運転もナシ。

やった!やったぞ!まさにベストコンディションアルコールじゃないか!

わさびコロッケ、おやき、ソーセージ、そしてビール!

眺める先には穂高山脈と梓川、河童橋、そしてビール!

2時間歩いた後のビール!

もう一口目と言ったら、なんと言いますか。

言葉なんていりますまい。

もう間違いなく人生最高のビールだ。

これでパワーチャージだ。

そして本日、宿泊する大正池ホテルへ。

大正池ホテルには、途中までバスで行き、そこからまた30分歩いて辿り着いた。

気がつけば、25,000歩。

一生忘れない良い1日となるだろう。

この上高地の1日は、後日YouTubeにもアップします。