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恐怖の先の大絶景


長野旅の続き。

先日、金沢での1日を書いたが、今日は長野県白馬の話だ。

福岡から長野に向けて旅立ち、3日目。

前日に金沢入りし、次の日の朝から出発。

目指すは長野県白馬村だ。

金沢から車で約4時間。

北陸の日本海を眺めながらドライブ。

道中、とても珍しい光景だったのが、高速道路が海の上にあったことだ。

目の前は日本海。海の上に高速道路が走っており、まさに海上道路だ。

僕はよくあきさんに言うのだが、釣りをしていて思うことは、

自分が「今、日本の端っこにいる」ということを実感することだ。

海で釣りをする時は、みんな日本の端っこにいる。

ここが日本の端っこかぁ。というその感じがいい。

北陸から長野に向かう高速道路は、日本の端っこを走っている実感があってよかった。

左側は日本海。右側を眺めれが、アルプスの山々が遠くに見えてくる。

少しずつ山が近づいてくる。

初めてみる景色に僕もあきさんも興奮気味だ。

標識を見れば、新潟まで250kmと書いてある。

近いやん。行けるね。

もう僕の距離感は、バグっていた。

糸魚川が見えてきた。これがあの釣りの名所でもある糸魚川か。

魚が糸のように群れをなすほど、この川には魚がいたのかな?

なんて想像しながら、長野方面へ向かう。

白馬まであと1時間。大きな山々に囲まれる景色の中を車で走っていく。

ついに白馬に到着。僕たちが最初に向かったのは、

白馬マウンテンハーバーだ。

北アルプスの山々が一望できる山頂のテラス。

ここは、長野のアルプル山脈を目の前で見ることができるフォトジェニックスポットだ。

さぁ、行こう。いざあの山の頂上へ。

しかし、ここでひとつ問題がある。

それは、そのフォトスポットに行くまでには、ゴンドラに乗らないといけないということだ。

そう、高所恐怖症の僕にとってゴンドラに乗るということが、どういうことか。

ワイヤーが1本だけ。あの全部窓しかない大きな箱が1本のワイヤーだけで吊るされて動く。

まさに吊し上げだ。

ゴンドラ。ゴンドラって。なんか文字の響きも怖い。

もう乗るしかない。ここで躊躇するともっと恐怖感が増す。

ささっと乗って上に行こう。お茶漬け感覚で。

そう、ささっと。ささっとね。

あー、景色がいいなぁ。景色が。高いね。下を見るな、前を見ろ。

分かってるよ。いい景色だ。あー、嫌だ。今、この高さがなんか嫌だ。

これは、高所恐怖症の人なら分かると思うが、

急に怖くなる瞬間がある。説明できないが自分の中で嫌な高さがある。

何が景色だ。こんな地に足がついてない状態でいつまで乗るんだ。

早く動けよ。いや、早いのもなんか嫌だ。何が景色だ。

あー、ごめんなさい。もうすぐ着くよね。

・・・・・・・よし、着いた。頂上まで着いたぞ。

やったぞ。やってやったぞ。もうこっちのもんだ。

ついに、頂上のマウンテンハーバーに到着。

恐怖に打ち勝った僕は、まるで映画アルマゲドンの宇宙からの帰還シーンのように、

堂々と晴々したドヤ顔で、フォトスポットへ向かう。

あー、美しい。なんという大自然の光景だ。

向こうには白馬三山(しろうまさんざん)が見える。

白馬三山は、富山県と長野県にまたがる白馬岳(しろうまだけ)、杓子岳(しゃくしだけ)、

白馬鑓ヶ岳(しろうまやりがただけ)の3つの山の総称だ。

だいたい標高がそれぞれ2900mくらいあるそうだ。

同じくらいの高さにある向こうに見える山々には雪が積もっている。

不思議だ。なんで、向こうにだけ雪が積もっているのだ。

こっちの気温は約30度くらいあって暑い。同じくらいの標高の場所にいるのに。

ここはTシャツでいい暑さなのに、目の前に見えるあの山々には雪が積もっている。

ということは、向こうの山はもっと高いのか?いや、目線は同じ高さなのに。

なんてことを思い、雄大な山々を目に焼き付けるようにずっと眺めながら

白馬豚のクロワッサンサンドにかじりつく。

この頂上テラスには、ニューヨーク生まれのベーカリーで、国内でも人気の「THE CITY BAKERY」が

出店している。大自然の中にあるカフェだ。

外のテラスからアルプスを見ながらのカフェは、最高の時間だった。

さぁ、あとはその辺を散歩してぼちぼち下に戻りますか。

ゴンドラに乗って。

ゴンドラ、ゴンドラ、ゴンドラ・・・・またかよ。

帰りはもちろんだが、下りだ。

いけるのか?いけないのか?どっちなんだい?

行くしかないやろ。分かった、行きますよ。

僕はゴンドラの中でそっと目を閉じた。

あの時見た光景を忘れないために。

ウソだ。あー、ウソさ。ただ、目の前にある高所の恐怖から逃れるためだ。

高いという事実を見なければいいのだ。

見なければ恐くない。

どうだ?高所よ。

下りの風景は、カメラがとらえている。

ありがとう。白馬三山。

俺は振り向かない。振り向かずに行くからな。

背中でそう語りながら、白馬マウンテンハーバーを後にした。

それから僕たちは白馬のノースフェイスで上着を購入し、

スノーピークで白馬店限定のグリーンカラー、別名カメムシ太郎カラーの

スタッキングマグをお土産として購入した。

長野旅3日目の様子も後日、YouTubeで紹介したいと思う。