お知らせ
ゴマサバ県ふくおか
先日、3日連続でお酒を飲む機会があったが、
それぞれの居酒屋で、3日連続でゴマサバを食べた。
特に意識はしていなかったが、
たまたまゴマサバが連続して、3日目で気がついた。
でも、飽きることはない。ずっと食べれる。
ゴマサバは福岡の郷土料理だ。
どの居酒屋にでもあるくらい、ゴマサバは愛されている。
ゴマサバは、サバの刺身を醤油と炒りごまとみりんで和えたもの。
お酒にも合うし、ご飯にも合う。
よく間違えるのは、ゴマサバという種類のサバを使っていると
思われるが、基本的にはマサバを使用している。
博多にある名店「はじめの一歩」のごまサバ丼はおすすめだ。
脂が乗って、身の食感も良い。
九州の人は、鶏肉と同じように魚は青物をよく食べる。
アジ、サバ、カンパチ、ブリととにかくスーパーに行けば
美味しい青物の刺身が売ってある。
ブリは大晦日やお正月には出世魚としてよく食べるが、
福岡では、雑煮にブリの切り身を入れる。
寿司屋に行けば、青物の人気が高い。
九州の寿司は、江戸前寿司と違ってとにかく鮮度と身の締まりを大事にする。
江戸前は、熟成文化だ。刺身は旨みを高めるに熟成させることがある。
魚を絞めて少し時間をおいたほうが、イノシン酸という旨み成分が出てくる。
江戸前のマグロは特に熟成させて身をねっとりさせ、身の奥にある旨みを楽しむ。
九州はあまりマグロを食べる文化ではない。
青物文化だからだ。九州のマグロは豊洲市場に流れる方が多い。
近代マグロなどの影響で、スーパーでもマグロが安く買えるようになって、
鮮魚コーナーによく並んでいるが、それはここ10年くらいのような気がする。
九州の場合は、熟成よりも鮮度を優先する。
身の食感がいいかどうかが大事になる。
神経締めという技術もそんな鮮度重視の考えから生まれた。
神経締めは魚の神経を長い針金のようなもので刺激する。
神経を殺しても魚はまだ生きているという状態だ。
だから身が生きたままの状態になる。この神経締めをした魚は
非常に身の弾力が強く、食感が良い。
以前、大分県の佐賀関(さがのせき)の漁業組合に取材をしたことがある。
佐賀関といえば、全国でも有名な関アジ、関サバの産地だ。
関サバは、日本で初めて魚をブランド化した大分県のプライドフィッシュだ。
話を聞くと、そのこだわりはさすがだった。
流れの早い豊後水道で一本釣りで釣った約50cm(700g)以上のサバ。
それを漁業の生簀で1日泳がせる。釣ったばかりの魚は興奮状態にあるため、
ストレスで乳酸値が上がるそうだ。乳酸値が上がると旨み成分が落ちるので、1日生簀で休ませて
乳酸値を下げて、血抜きをして、神経締めで処理する。
身の鮮度を完璧なまでにいい状態にして、お店に送るのだ。
本物の関サバは、関サバの認定シールが貼った状態でお店で提供される。
時々、認定シールが貼っていないサバを関サバと言ってお店で出しているところもあるみたいだが、
漁協組合からするとそれは、本物の関サバではなく大分県で獲れたサバになるらしい。
僕も以前に関サバを何度か食べたことがある。大分市内と別府、そして本場の佐賀関で。
やはり、佐賀関で食べた関サバが一番身が締まっていた。
九州や山口と日本海側の青物はうまい!関サバの話になったが、
博多にきた際は、ぜひゴマサバを食べてほしい。

