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あきさんの丁寧な器

ここ最近、あきさんは頑張って器をたくさん作っている。

あきさんが陶芸を始めてから、気がつけば15年くらいになる。

体調を崩し、働いていた旅行会社の仕事を辞めて陶芸をするようになった。

陶芸教室をしていたあきさんのお父さんとお母さんの影響で

週1回の陶芸教室に通うようになったのがきっかけだ。

最初は「試しに」という感じだったが、

始めてみたら、あきさんはモノづくりに向いていた。

とにかく丁寧につくる。

手回しろくろでひとつひとつ、カタチを作っていく。

手作りなので機械で作るよりも圧倒的にスピードは遅いし、精密ではない。

でも、とにかく丁寧なのだ。

僕は「丁寧」という言葉に惹かれ、尊敬する。

そこに時間をかける人間の優しさみたいなものを感じるからだ。

モノづくりを語る時に「技術」とか「魂が宿る」という言葉をよく耳にする。

日本人は特に技術思考だ。技術によって経済大国になった。

正確に、精密に、手を抜かずに製造するのが日本人のすごいところだ。

「技術」という言葉には、人の経験値や手仕事、正確性、精密さが含まれている。

技術があれば、多くのモノを作ろうとした時に、同じものを正確に同じように

届けることができる。

技術というのは、仕事の中から生まれてきた言葉だろうと思う。

では、「丁寧」という言葉はどうだろう。

僕は、「丁寧」という言葉は、暮らしの中で伝わってきたものだと思っている。

「丁寧」を、女性的に感じるのはそこだと思う。

反対に、「技術」は男性的だ。

丁寧には、人の暮らしや優しさを感じ、技術には汗や経験を感じる。

あきさんが作る器は、丁寧に作られている。

ひとつひとつが全く同じカタチでないところがいい。

釉薬のかかり方や色の出方が違うところがいい。

手に持った瞬間に、人の温かみを感じるのは「丁寧」があるからだと思う。

丁寧に作られたカタチは、決して精密じゃないけど、

完璧じゃないところに人は親しみを感じ、愛着が湧くのだと思う。

あきさんの作った器を見ながら、しみじみそう思う今日の朝でした。

今日は7月5日。

世間では、いろいろと話題になっているけど、

とにかく毎日を大切に、備えておきたいと思うこの頃です。