お知らせ
トマトが苦手だった僕は、
僕は20代まで生のトマトが苦手だった。
食べれば、身震いするほどだった。
あの「むにゅ」っとした感じと青臭さが嫌だった。
トマトパスタは大好きなのだが、生のトマトや原型が残っているトマトは食べれなかった。
だからサラダのトマトは確実に残していた。
しかし、30代後半になって見事に克服した。
これはあきさんのおかげだろう。
初めてトマトを「うまいかも」と思ったのは、20代後半。
ニュージーランド旅行(新婚旅行)でのことだ。
ホテルの朝食で出てきた焼きトマトがおいしかった。
トマトが輪切りにされ、鉄板で焼かれ、ブラックペッパーがかかっている。
あきさんが「美味しいから食べてみて。」というから恐る恐る食べたら、
「あれ?いける」「美味しいかも」となった。
生トマトは苦手だが、焼いたトマトならいける。
あのことがきっかけで、トマトに少しだけ歩み寄るようになった。
それから佐世保バーガーもトマト入りにチャレンジした。
少しずつだが、トマトの苦手意識をひとつひとつ外していく。
あきさんが何気に料理にトマトを入れてくる。
トマト入りスープはおかわりするほど好きなのだが、
朝食のサラダにトマト。これがやはり一番の難関だ。
最初は1キレくらい食べて、「あとはあきさんが食べて」という繰り返し。
食べない日もたくさんあった。
やっぱり無理やな。生のトマトは。
しかし、農作物も進化する。フルーツトマトいう救世主が出てきた。
一口食べてみる。「うん?青臭くないな。甘味がある。」
確かにうまいな。
それでも僕のトマト苦手意識は外れない。
あきさんも無理にトマトを強要しない。
「食べたかったら食べればいい。」という感じだ。
基本はあきさんが食べる。僕はなんとなく時々食べる。
そんな朝が何年も続いた。
朝食にフルーツトマトと普通のトマトを繰り返す。
フルーツトマトなら食べられる。
普通のトマトはいけるかな?という気持ちになっていく。
フルーツトマト、OKいける!
普通のトマト、やっぱ無理だな。
フルーツトマト、OKいける!
普通のトマト、うーん、ちょっといけるかな?
普通のトマト、あれ?今日のこれって、フルーツトマトじゃないんだ。食べれる。
基本は普通のトマトの日が多い中、
1キレが2キレ、3キレと食べれるようになっていく。
いつしか、フルーツトマトじゃなくても食べれるようになっていた。
最近のトマトはおいしくなっている。
フルーツトマトじゃなくてもおいしくなっているのだ。
そしてここからは正直言って、広げたくなピンポイントの情報だが、
このコラムを読んでいるあなたは、トマトと縁があるのだろう。
トマトに愛されている人だ。
僕たちは、コスパ最高のトマトを見つけてしまった。
価格はスーパー価格なのに、味はブランドトマトと同じというトマトだ。
何?どこに売っているの?と気になる人もいるから、
ここだけの話でお教えしよう。
そのトマトは、「福岡県福津市産の恵子ちゃんのトマト」だ。
あー、ついに言ってしまった。我が家だけの密かなの情報を。
なんだ、福岡県だから買えない・・・・と思った人、すみません。
そうなんです。スーパーには売っていないのです。
売ってある場所は、「福津市のあんずの里」か「宗像市の道の駅むなかた」だ。
あー、またまた言ってしまった。我が家だけの密かな情報を。
この恵子ちゃんのトマトは、安くてブランドトマトのごとくうまい!
ブランド化できる逸材を本人たちは気づいていない。
もしくは、おいしさに気づいているがブランド化できないのだろう。
なぜここまで僕が熱く語れるかというと、僕はブランドトマトを知っているからだ。
熊本県に八代市という町がある。ここは、日本一のトマトの生産量を誇るブランド産地だ。
「塩トマト」と言えば、一度は耳にしたことがあるだろう。
塩トマトとは、トマト自体が塩味というわけではない。
トマトを作る八代の土壌が塩分(ミネラル)を多く含んでいる。
その昔、八代の土壌は海だったからだ。
塩分を含む土壌と海風、山から注ぐ綺麗な水のおかげで上質で甘味のあるトマトが育つ。
土壌の塩分がトマトの糖度を上げるのだ。
そんな恵まれた土地で作るトマトの生産量は日本一。
塩トマトは、地元の道の駅でも1個200円と高価だ。
さらにブランド品のロイヤルセレブともなると、13玉で5000円ほどだ。
僕は仕事で八代の農業の取材と撮影を2回ほどやった。
なので、八代の土地の空気感も知っているし、トマトのことも知っている。
ロイヤルセレブは食べたことないが、通常の塩トマトは何度も食べている。
糖度が通常のトマトより高く、甘味があってフルーツ感のあるトマト。
そのトマトと同じなのが、福津市の恵子ちゃんのトマトなのだ。
初めは、無意識だった。「このトマトうまいね。塩トマトみたい」と食べた後に確認する時、
いつも恵子ちゃんのトマトだった。
「こんなに美味しいのに、この価格でいいんですか?!」
と言いたくなるだろう。
トマトが苦手だった僕はトマトの味には敏感だ。間違いなくうまい。
「なぜ?うまいの?」と考えてみたら、福津市は八代市と共通点がある。
畑が海に近い。山も近い。おそらくあの地域も昔は海だったはずだ。
土壌にはきっと塩分を含んでいるはずだ。
地形が八代と似ているのだ。
こんな美味しいトマトが手頃に買えるなんてありがたい話だ。
多分、僕たちの他にも当たり前のように食べている「声に出していないファン」もいると思う。
このコラムを読んだあなたは、運がいい。トマトに愛されている。
皆さんも「道の駅むなかた」に行った際は恵子ちゃんのトマト食べてみてください。
遠いから行けない人は、我が町で見つけてみてください。自分だけのトマトを。
海沿いの畑で育つトマトはうまい説。
きっとあるはずです。

