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お知らせ

受け継いだ秋。育っていくYUZUGO。

今年も、柚子胡椒の季節がやってきた。

畑の唐辛子が少しずつ実りはじめると、

「ああ、今年もこの季節がきたな」と実感する。

柚子胡椒を作りはじめて、今年で8年目になる。

最初は、趣味のようなものだった。

自分たちが食べるために作る。

家族や友人に少しおすそ分けする。

そんなところから始まった。

それよりずっと前から、

妻のあきさんの両親は20年ほど柚子胡椒を作っていた。

唐辛子も自分たちで育てていた。

僕たちも毎年のように柚子胡椒を分けてもらっていて、

それを受け取るたびに、

「秋がきたな」

と思ったものだ。

2019年、あきさんのお父さんが亡くなった。

それをきっかけに、結果として柚子胡椒作りは、

僕たち夫婦が引き継ぐことになった。

だから、今のYUZUGOがあるのは、

まず、あきさんの両親のおかげだと思っている。

唐辛子を自家栽培できる環境があって、

柚子が手に入る環境があった。

その土台がなければ、

きっとYUZUGOは生まれていなかった。

そして、黄色の柚子胡椒もまた、

いくつものご縁と偶然が重なって生まれたものだ。

せっかく作るのであれば、

どこにでもあるものではなく、

自分たちにしか作れない柚子胡椒を作りたい。

何より、自分たち自身が、

「これは本当においしい」と納得できるものを作りたかった。

陶芸作家と、クリエイティブの仕事をしている夫婦。

たぶん、そんな僕たちだからこその、

ちょっとしたこだわりが、

今の柚子胡椒には詰まっている。

味については、あきさんのセンスが大きい。

柚子と唐辛子と塩。

使っているのは、それだけ。

こんなにシンプルな自然素材だけの調味料なのに、

「こんなにうまいんだ」と、今でも思う。

下処理は手作業。

一つひとつ、とにかく丁寧に。

効率だけを考えれば、もっと違うやり方があるのかもしれない。

でも、この手間も含めて、

僕たちの柚子胡椒なのだと思っている。

気がつけば、もう8年。

こうして言葉にすると短いけれど、

振り返ればYUZUGOは、

いろんな人との出会いや、

いくつもの偶然に導かれるように形をつくり、

少しずつ今の場所までやってきた。

YUZUGOを生み出したのは、僕とあきさんだ。

でも、YUZUGOをここまで育ててくれたのは、

食べてくれた人たちだと思っている。

誰かの食卓に置かれて、

鍋に添えられたり、刺身につけたり、

カレーに入れたり、ピザ用のタバスコ代わりに。

僕たちが思いもしなかった食べ方を見つけてもらったり。

「おいしかった」と誰かに話してもらったり。

そうやってYUZUGOは、

僕たちの手を離れてから、

それぞれの場所で、

それぞれの時間を育てていく。

自分たちが作っているものではあるけれど、

自分たちだけのものではない。

食べてくれる人たちと一緒に、

少しずつ育っていくもの。

今は、そんな感覚がある。

この文章を書きながら、あらためて、しみじみと思う。

たくさんのご縁があって、

今年もまた柚子胡椒を作ることができる。

ありがたいことだ。

そして、いよいよこれからが本番。

まずは、青柚子でつくる「YUZUGO AO」から。

畑を見ながら、柚子の季節を待ちながら、

今年も静かに、

気持ちにハチマキを結ぶ。